物価高騰が続く今日、家計管理の重要性がますます高まっています。しかし、「家計簿をつけたいけど続かない」「何度も挫折してしまう」という悩みを抱える方は少なくありません。実は家計簿を続けるコツは「がんばりすぎないこと」にあります。本記事では、家計簿が続かない原因を分析し、初心者でも挫折せずに実践できる3つの管理法を詳しく解説します。シンプルで効果的な方法を選ぶことで、無理なく家計管理を習慣化し、家計改善の第一歩を踏み出しましょう。
家計簿が続かない主な原因
家計簿をつけることを決意しても、多くの人が途中で挫折してしまいます。その背景には、いくつかの共通した原因があります。
時間の不足と日常の忙しさ
最も多い挫折理由の一つが「忙しくて時間が取れない」ことです。仕事や家事に追われる毎日の中で、家計簿をつける時間を確保するのは簡単ではありません。朝は通勤に追われ、仕事中は業務に集中し、帰宅後も家事や育児に時間を取られます。結果として、レシートの整理や金額の記録は後回しになりがちです。
数日分をまとめて記録しようとして膨大な作業量に圧倒され、挫折してしまう悪循環に陥りやすくなります。これは特に忙しい現代人にとって大きな障壁となっています。
完璧主義による自己プレッシャー
家計簿が続かない原因として、「家計簿をがんばる」ことが目的になってしまう完璧主義的な姿勢も挙げられます。細かく費目分けをしようとしたり、1円まできっちり記入しようとするなど、最初から高いハードルを設定してしまうケースも少なくありません。
このような完璧主義は、勉強と同じで最初から難しいことに挑戦しすぎると挫折する原因になります。貯金への焦りもわかりますが、最初は肩の力を抜いた取り組み方が長続きするポイントです。

家計簿を続けるための基本的な考え方
家計簿を長く続けるためには、基本的な考え方を整理しておくことが重要です。
家計簿の本来の目的を理解する
まず理解すべきなのは、家計簿の本来の目的は「お金の流れを知ること」だということです。「家計簿をがんばる」こと自体が目的になってしまうと、続けるのが難しくなります。
家計管理の本質は、自分の収支パターンを把握し、改善点を見つけることにあります。そのためには、完璧な記録よりも継続的な把握が重要なのです。
シンプルさを重視する
家計簿を続けるコツの一つは、シンプルな記録方法を選ぶことです。複雑な家計管理よりも、自分の世帯収入に合った簡単な記録方法を選ぶことが継続の秘訣となります。
最初は基本的な収支管理から始めて、慣れてきたら項目を少しずつ追加していくアプローチが効果的です。継続できる記録方法を見つけることが、家計簿を習慣化する第一歩となります。
続けやすい3つの家計簿管理法
家計簿が続かない方のために、3つの異なる管理法を紹介します。それぞれの生活スタイルや好みに合わせて選ぶことができます。
管理法1:挫折しない手書き家計簿の3ステップ
手書き家計簿は、デジタル管理よりも時間と手間がかかる反面、家計としっかり向き合うことができるというメリットがあります。以下の3ステップで手書き家計簿を始めてみましょう。
ステップ1:レシートを集める
家計簿の基本として、買い物をしたらレシートを必ず保管する習慣をつけましょう。今まで捨てていた方は、専用のケースや箱を用意してレシートを集める仕組みを作ることが大切です。
ステップ2:費目は3〜5つまでに絞って記録する
記録用のノートは、市販の家計簿ではなくシンプルなノートや手帳がおすすめです。費目分けは自分が知りたい項目を3〜5つに絞りましょう。細かく費目分けしたい気持ちは理解できますが、まとめるのが大変になるので注意が必要です。
ステップ3:締めの日にまとめ、見直す
単に記録するだけでなく、月末などの締めの日に振り返る習慣をつけましょう。「今月は外食が多かったから来月は自炊を頑張ろう」「同じような服を購入していたからクローゼットの整理をしよう」など、振り返ることで必ず気づきが得られます。その気づきを改善していくことで、無駄遣いが減ってお金が貯まる楽しみを実感できるようになります。
管理法2:週単位でラクに続ける家計簿
毎日の記録にこだわらず、週単位で管理することで継続的な家計管理が可能になります。
平日はレシート集めに専念
平日は玄関やキッチンに専用の領収書入れを設置し、買い物のたびにレシートを入れておくだけにします。この時点では記録する必要はありません。
週末にまとめて記録する時間を確保
休日の決まった時間、例えば土曜の午前中などに30分ほど時間を確保して、一週間分をまとめて記録します。PayPayやd払いなどのデジタル決済も、アプリから週間利用履歴を一括ダウンロードできる機能を活用しましょう。
クレジットカードの利用明細も活用
クレジットカードの利用明細もネットバンキングで確認でき、支出の漏れを防ぐことができます。毎日家計簿をつけると決めるとストレスになるため、週単位で管理することで無理なく家計簿を続けられる可能性が高まります。

管理法3:シンプル派向け「一行家計簿」
細かな項目や金額を書くのが苦手な方におすすめなのが、一行でOKの「一行家計簿」です。特に家計簿初心者やズボラさんに適した方法です。
ステップ1:その日の支出を振り返る
一日の終わりに、その日の支出を振り返ります。このためには支払いをする際、もらえるところではレシートを必ず保管しておくことがポイントです。
ステップ2:「一か所一行」で合計額をメモ
お金を使った場所で複数のものを買ったとしても、「一か所一行」を基本にして、合計額を手帳にメモします。例えば、スーパーで食品、日用品をたくさん購入した場合でも、明細は書かず、そこで支払った合計額だけを記入します。
ステップ3:請求月を確認する
支払い金額を確認し、後払いになる分はマーカーでチェックし、翌月請求になる金額は月ごとに累計していきます。重要なのは、レシートを確認して無駄遣いはなかったかチェックすることです。単なるおこづかい帳にならないよう支出の振り返りが大切です。
家計簿を習慣化するための追加ポイント
どの管理法を選んでも、以下のポイントを意識することで継続しやすくなります。
テクノロジーを味方につける
最近は無料の家計簿アプリやエクセルのテンプレートなど、便利なツールが豊富に用意されています。特に家計簿アプリは、レシートを撮影するだけで自動的に支出を分類してくれる機能も備わっているため、デジタルツールに抵抗がない方は積極的に活用するとよいでしょう。
無理のないペースで始める
家計簿を始める際は、いきなり完璧を目指さず、まずは無理のないペースで始めることが重要です。書くことが習慣づいてきた段階で、細かな費目分けに挑戦したり先取り貯金に挑戦するなど、徐々にステップアップしていくことをおすすめします。
自分に合った方法を選ぶことの重要性
家計簿は「こうでなければならない」という決まりはありません。大切なのは自分のライフスタイルや性格に合った方法を選ぶことです。手書きが好きな人は手書き家計簿を、デジタル管理が得意な人はアプリを、とにかくシンプルが良い人は一行家計簿を選ぶなど、自分に最適な方法を見つけましょう。

結論:家計簿は「がんばらない」ことが成功の鍵
家計簿を続けるコツは、「がんばりすぎない」ことにあります。手書き家計簿を続ける基本は意外と簡単で、書くことを習慣づけることができれば効果を発揮します。
どの管理法も、最初は基本的な収支管理から始めて、慣れてきたら項目を少しずつ追加していくアプローチが効果的です。継続できる記録方法を見つけることが、家計簿を習慣化する第一歩となります。
家計簿は「お金の流れを知る」という本来の目的を見失わず、自分に合った無理のない方法で始めることが大切です。今日から、思い立ったらすぐに実践できる3ステップ管理法で、無理なく続く家計管理を始めてみてはいかがでしょうか。